国税徴収法のすヽめ♯57  別段の定め二つ目

Sponsored Link


今日は別段の定の二つ目です。

国税徴収法第10条にこうあります。

(直接の滞納処分費の優先)
第十条  納税者の財産を国税の滞納処分により換価したときは、その滞納処分に係る滞納処分費は、次条、第十四条から第十七条まで(担保を徴した国税の優先等)、第十九条から第二十一条まで(先取特権等の優先)及び第二十三条(法定納期限等以前にされた仮登記により担保される債権の優先等)の規定にかかわらず、その換価代金につき、他の国税、地方税その他の債権に先立つて徴収する。

「滞納処分」と「強制換価手続」がどう違うかは、
定義を歌にして覚えている人には、説明が不要だと思うので、
割愛します。

基本通達には

(滞納処分に係る滞納処分費)

2 法第10条の「その滞納処分に係る滞納処分費」とは、納税者の財産につき滞納処分による換価をした場合において、その換価の目的となった財産についての滞納処分費(法第136条)で、その換価処分の基礎となった国税についての滞納処分費をいう。
〔例1〕 甲国税によりA財産とB財産とを差し押さえ、A財産についてだけ換価した場合には、A財産についての滞納処分費だけが法第10条の滞納処分費に該当し、B財産についての滞納処分費は、法第10条の滞納処分費には該当しない。
〔例2〕 甲国税によりA財産を差し押さえ、乙国税により当該差押えに対し交付要求をした場合の交付要求に係る国税の滞納処分費は、法第10条の滞納処分費には該当しない。

とあります。

やはり「滞納処分費」は昨日とおなじく136条の条文どおりです。
なので説明は割愛します。

というわけで例題は昨日とほぼ同じです。
【例題】
滞納者の債務
①M銀行からの借入金  1000万円
②差押国税  3万円
③不動産鑑定料 20万円

という場合には、
第1順位 不動産鑑定料 20万円
第2順位 差押国税 3万円
第3順位 M銀行からの借入金 1000万円
となります。

実際の解答を書く場合には、
—————
【配当】
第1順位 不動産鑑定料 20万円
第2順位 差押国税 3万円
第3順位 M銀行からの借入金 1000万円
【解説】
(1)まず、「国税優先の原則」により、交付要求国税がまず優先されます。
(2)しかし、別段の定めである「直接の滞納処分費の優先」の規定によって
第1順位 不動産鑑定料 20万円
第2順位 差押国税 3万円
第3順位 M銀行からの借入金 1000万円
となります。
【根拠条文】
1.国税優先の原則
国税は、納税者の総財産について、この章に別段の定がある場合を除き、すべての公課その他の債権に先だつて徴収する。
2.直接の滞納処分費の優先
納税者の財産を国税の滞納処分により換価したときは、その滞納処分に係る滞納処分費は、その換価代金につき、他の国税、地方税その他の債権に先立つて徴収する。
————–
となります。

ポイントは
「直接の」
という表現です。

それについてはまた次回。

国税徴収法の受験生増加、(合格率は10%前後と決まっていますから)ひいては合格者増加のためのこのブログの宣伝として
下記のクリックによろしければご協力ください。

にほんブログ村 資格ブログ 税理士試験へ
にほんブログ村
↑こちらのクリックをよろしくお願いします。

『税理士試験-替え歌暗記法』の紹介ページ
も随時更新しています。(スケジューリングサービスや『替え歌暗記法』の利点など)時々、ご覧ください。
国税徴収法のすゝめ#59 国税優先の原則

Sponsored Link


シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする