配当計算について、だいたいではありますが扱いました。
実際のところ計算問題なので、計算練習をするしかあとはありません。
最後に、配当計算と関係のある配当の原則について国税徴収法上の規定を見ておきたいと思います。
国税徴収法129条に配当の原則が規定されています。
この規定で、差押財産の売却代金を配当する原則が出ています。
この中で興味深いのは、ただの債権、つまり何も抵当権や質権などで担保されていない債権には配当されないということです。
つまり、滞納者にお金を個人的に10万円貸していたけど、
特になにも担保を取っていないときは、滞納処分で
「滞納者に10万円貸していたから分け前ください」
と税務署に言ったところで相手にされないということです。
むしろ、配当をし終わった残額は、滞納者に返されるので、
「その取り立ては滞納者本人にしてください」
というのが国税徴収法上の態度です。
そして、民間の債権と異なり、
民間では元本と利息だと、利子が先に充当されますが、
国税では本税が先に充当されます。
理由はわかりませんが、そのように規定されています。
そして、つづく国税徴収法130条には債権現在額申立書というものが規定されています。
債権者と債務者との貸しているお金というのは常に一定ではありません。
それで、「現在額」が重要になるわけですが、
質権や抵当権でも、額が定められて登記されていますが、
大枠だけ定められてその中で何度か貸付されるということもあります。
根抵当権などはそういうものです。
根抵当権として5000万円設定して、
最初に3000万円貸して、さらに追加で1000万円貸して
ということがあります。
債権額が変わるわけですが、
国税徴収法第18条には、そんな時には、差押えや交付要求の通知を受けた時における債権額を限度として優先することが規定されています。
(増額登記がされた時には、あたらしい質権や抵当権とみなすことも規定されています。)
ただ、この規定は「その国税に優先する他の債権を有する者の権利を害することとなるときは、この限りでない」とあります。
なので、その国税の法定納期限等以前に設定された担保権がある場合には、この規定を適用するかしないかが関係してきます。
結構、要注意です。
この辺は、理解しづらいのでそうした問題を解きながら確認して下さい。
それでは、今日のまとめの川柳です。
担保ない 債権あっても もらえない
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