いよいよあと1週間と少しです。
最後の大きな論点として、第二次納税義務があります。
概要としては、
今後の連載の流れでふれたとおりです。
本来の納税者ではない「第二次納税義務者」となる人にはいくつかのパターンがありますが、
それぞれの人から滞納国税を取り立てる手続きについては共通しています。
国税徴収法32条に規定されている通り、
①納付通知書による告知
をして
②納付催告書による督促
をします。
あとは、通常の滞納処分の手続きとなるわけですが、
第二次納税義務者は「本来の滞納者」ではないので、もう少し保護されます。
それが、「換価の制限」です。
1.そもそも本来の滞納者ではないので、まずは、本来の滞納者の財産を換価してからという制限項目があります。
2.さらに
通常の滞納処分では税務署長は差押財産を「換価しなければならない」
と規定されていました。
ちなみに、国税通則法第105条で「不服申立ての場合の換価の制限」という規定があります。
これは第二次納税義務者に限定されている規定ではありません。
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少し話はそれますが、
滞納処分についてなど税務署長の処分に対する不服申し立て方法は、
この通達の通りです。
ポイントは、
「すぐに訴訟を起こすのではない。」
というところです。
①まずは、
処分を行った(原処分庁である)税務署長に異議申立てを行い、
※この時に税務署長が行うのが「決定」
②それでも不服なら
国税不服審判所長という別の期間に審査請求を行い
※この時に国税不服審判所が行うのが「裁決」
このページをみると合議制みたいなので、「裁決」のようです。
③そして、訴訟となります。
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こうしてみると、①と②までは、全員、換価を制限するけれど、
第二次納税義務者は③まで換価を制限してあげよう
ということのようです。
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ちなみに、その他の処分は基本的に制限されません。
ただ、国税通則法105条の規定を見ると、
異議審理庁(要は税務署)には、
①徴収の猶予
②滞納処分の続行の停止
③差押えの解除
の権限が与えられています。
ここでは、要件はありません。
「できる」規定です。
やはり温情方面で裁量権が税務署にあることは間違いなさそうです。
税務署の気分を害するのはあまり得策とはいえない法的根拠はここにあります。
さらにちなみに、国税不服審判所にも上記と同じ権限が与えられており、
原処分庁である税務署長は、国税不服審判所の命令には逆らえません。
なので、最後だけは「しなければならない」という表現になっています。
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この「換価の制限」は時折出題されます。
やはり「しなければならない」規定を緩和するというわけですから、
特徴的な規定のようです。
この第二次納税義務者からの徴収手続は、
本来の滞納者からの徴収でないという共通点からなのか、
譲渡担保権者
保証人
からの徴収にも適用されます。
※保証人というのは、税務署が担保を取るときに、物的担保として抵当権を設定するという手段のほかに人的担保として保証人をたてるという方法をとったときのその保証人のことです。
ちなみに、仮登記の権利者も訴訟の時に「換価の制限」という保護があります。
数少ない国税徴収法上における、「質権・抵当権」と「仮登記」との扱いの違いです。
換価の順序の規定は「第三者による差押換え」の規定があるので、
特に仮登記の場合にはありません。
試験1週間前ということでだいぶ長くなってしまいましたが、
あとは、だいたい条文どおりです。
それでは、今日のまとめの短歌です。
滞納者 以外の人から とるときは ちょっと扱い 変えてるんだね
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