昨日に引き続き猶予関係です。
昨日は主に、国税通則法上の猶予である「納税の猶予」を扱いました。
昨日紹介したように国税徴収法上は、猶予の規定は二つあります。
1.換価の猶予
2.滞納処分の停止
です。
特徴としては、昨日の「納税の猶予」は納税者の申請によるものでしたが、
徴収法上の猶予規定は、納税者の申請によるものではありません。
税務署長が独自で判断して職権で行います。
ですから、当然「できる」規定です。(「納税の猶予」もできる規定ですが。)
国税徴収法151条、153条にある、
「換価の猶予」と「滞納処分の停止」の要件はどちらも重要ではありますが、
若干漠然としています。
「換価の猶予」の場合、
その者が納税について誠実な意思を有すると認められること
とありますし、
「滞納処分の停止」の場合
その生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき
とあります。
非常に主観的な表現です。
「換価の猶予」についてですが、
要するに、滞納者に対しては、
督促⇒差押
という流れは「しなければならない」と規定されているものの、
いざ換価という重要な局面では、滞納者の態度次第で猶予してあげてもいいよ
というわけです。
実務の点では、なるべく公平さを保つように納税実績などから見るようですが、
条文上はそんなテイストです。
低姿勢で情に訴えることも大切なようです。
「換価の猶予」は「納税の猶予」と効果が似ています。
差押えも解除することができます。
ですから、実務上において財産があるなら差押えを「しなければならない」規定の中で、滞納者の財産の差押がされないということは、「換価の猶予」の規定を勝手に適用してくれているということが考えられます。
一方、「滞納処分の停止」は、より滞納者の権利を保護する規定です。
かなり貧しい状態の滞納者を保護する規定なので、
滞納処分である差押えも禁止ですし、差押えも解除しなければなりません。
3年継続した場合には納税義務さえ消滅します。
自己破産でも租税債権は残りますが、税務署長が「滞納処分の停止」をしてくれて3年たてば納税義務が消えるのです。
取り立てる過程に税務署の裁量はほとんど入らないのですが、ここにきて税務署の裁量権が目立つ規定です。
ですから「取り立てる過程」に怒って異議を唱えても仕方がないので、
情に訴えて猶予の規定で助けてもらう
というスタンスを滞納者になった時にもつようにしましょう。
というよりも、滞納はやはりしないようにしたいものです。^^;
少し長くなったので今日はここまでにしておきます。
それでは、今日のまとめの川柳です。
猶予する ときには判断 必要だ
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